ファンクとはどんな音楽なのか、まとめてみた

2020年4月6日

ファンク(funk)という音楽ジャンルがありますが、具体的にどういう音楽を指すのでしょうか?

YouTubeで「What is funk」と検索して出てきた動画を参考にして、まとめてみました!

結論

さっそく結論ですが、ファンクの特徴は以下の6つと言えそうです。

すべてのパートが、リズムを刻む

ファンクはJames Brownによって発明されたとされています。

彼が起こした革命は、メロディを捨ててリズムに焦点を当てたこと。ドラム、パーカッションはもちろん、ベース、ギター、Wurlitzer(電子ピアノの一種)、ボーカル、それらすべてがリズムを刻むのです。

ファンクに特徴的なベースのSlap奏法も、リズムを刻むためのものです。

1拍目を強調する

各パートがそれぞれにリズムを刻んでいても、1拍目には必ず集合してアクセントをつけます。

断片的なフレーズで、隙間を作る

他のパートが入り込む余地を与えるために、各パートは断片的で隙間の多いフレーズになります。ボーカルも「歌う」というよりも、短い言葉を「唱える」という感じになります。

メロディやコード進行はいらない

あくまでも主役はリズムであり、長くて叙情的なメロディは不要。1つのコードの上でひたすらリズムに乗り続けます。

テンポは遅め

104bpmくらい。

ギターは上3弦だけ

ファンクにおける典型的なギターは、上3弦だけを弾いて軽やかにリズムを刻みます。

参考動画の和訳

参考にした動画の内容を和訳してみました。もしかしたら誤訳があるかもしれません。

How James Brown Invented Funk

PBS Member Stations rely on viewers like you. To support your local station, go to: http://to.pbs.org/DonateSoundField ↓ More info below ↓ James Brown invented funk music, but what is it about James Brown’s music that makes it sound so funky? James Brown, the Godfather of Soul, created the DNA for funk.

ファンクは『Papa’s Got A Brand New Bag』(1965)から始まったという人が多い。1967年の『Cold Sweat』から始まったという人もいる。しかし、本人の自伝によると、彼の音楽は本当は1964年の『Out Of Sight』から変化したらしい。そのあたりから、彼の音楽において、ホーン、ギター、ボーカルなどすべてのパートが同じリズムを同時に刻み始めたらしい。

James Brownはメロディーを捨ててリズムに焦点を当てた。どんなパートも、彼はパーカッションのように演奏させた。そして、ボーカルも歌うのではなく、唱えた(chanting)。それこそが、ファンクをグルーヴィーにし、ポピュラーにしたのだ。

ファンクはコード進行ではなく、リズムの相互作用により、展開していくのだ。

彼は新しいリズムパターンを生み出した。2拍と4拍を強調するのが一般的だが、1拍目を強調するのだ。これにより、グルーブにスペースが生まれる。それにより、シンコペーション(弱拍の強調)を入れやすくなるのだ。

もう一つ特徴的なのは、歌い方。彼はshoutingとsingingの中間の声で歌っている。そして、フレーズは断片的(stuff)で、叙情的で長いメロディではない。ボーカルの掛け合いも特徴的だ。現在のヒップホップにも影響を与えている。

James Brownらしいフレーズを作ろうと思えば、ブルースケールで、全休符を使って隙間を作ればいい。ホーンによるポップさも欠かせない。

Is it Funk? Or only “Funky?" (Make It Up on a Monday #4)

We try to define the difference between “Funk" (a genre) and “Funky" (an attribute of something musical). We’ll talk about what makes Funk Funk, and breakdown a short 8-bar groove which contains many of the most common elements of the funk genre.

この動画では、ファンクの音楽的な特徴を非常に詳細に解説してくれています。彼によると、ファンクの3大要素は、

①ダウンビート(1拍目)を強調すること
②テンポが104bpmくらいと遅めなこと
③16分音符と"Interlocking Groove"

Interlockingとは、連動しているということ。ドラムやベース、ギターなどあらゆるパートが一貫した16分音符のセットの中で演奏しているということです。

ベースは1拍目から2拍目までずーっと伸ばし切ると、それっぽくなる。もう一つのポイントは、他の楽器が入ってくるための隙間を作ること。

本来ならファンクにはギターが入っていることが多いです。しかし、この人はキーボーディストなので、Wurlitzerの音になってます。でも、ギターのボイシングを取り入れることによって、ファンクっぽくできるとのこと。

ファンクでは、ギターの上の3弦だけをつかうことが多いらしい。そしてその音程は3度と4度になるらしいです。コードがCだったらミソドですね。

参考曲はMaceo Parkerの『Shake Everything You’ve Got』や、Wild Cherryの『Play That Funky Music』。たしかにギターはそうなってますね。

そして彼がもう一度強調するのは、Interlocking Groove。いろんなパートがお互いのために隙間を作って、浮き沈みしていく感じですね。

ファンクの要素はまだまだあって、コードの展開が少ないこともその一つ。ずっと同じコードか、ⅠとⅣを行き来するだけの場合が多いらしい。あとは、大規模な編成。ホーンセクション、clavinet、ギター、ドラム、ベース、さまざまなパーカッション。

Formula for a Funky Feel

➡ Thank you for supporting me on Patreon! https://www.patreon.com/nahresol Here’s a bit of a formula I kept in mind when putting together this funky tune for an episode of Sound Field that I am co-hosting with L.A. Buckner (“How James Brown Invented Funk": https://www.youtube.com/watch?v=AihgZv1D5-4). #PBSDigitalStudios #SoundFieldPBS.

この動画では、なかなか面白い分析がなされています。1拍を4分割して、①②③④とすると、③→②や④→③にfunkっぽさを感じるという説。たしかに。表から裏、裏から表という意外性がポイントなんですかね。16ビートは、結局8ビートを2倍速にしただけですから、8ビートでも当てはまりそうですね。

FUNK – What Is It?

Thanks to my wife for coining the phrase “FLUNK" My case file: Exhibit A: https://www.youtube.com/watch?v=tBAF3NNYAW4 Exhibit B: https://youtu.be/eKl6EZShaaw Exhibit C: https://www.youtube.com/watch?v=ViwtNLUqkMY Exhibit D: https://www.youtube.com/watch?v=EBXU2t4hodo Exhibit E: https://www.youtube.com/watch?v=3WOZwwRH6XU Exhibit F: https://www.youtube.com/watch?v=UbkqE4fpvdI Exhibit G: https://www.youtube.com/watch?v=XPpTgCho5ZA Exhibit H: https://www.youtube.com/watch?v=CvBfHwUxHIk MY TOP 10 FUNK TRACKS OF ALL TIME: 10. Hey Ya! – Outkast: https://youtu.be/PWgvGjAhvIw 09.

彼曰く、ファンクはフラメンコと同じようなもので、音楽の形式だけを表すものではなく、感性や魂のようなものだ。

James Brownをはじめとするファンクの特徴は、1小節あるいは2小節のはじめ(1拍目)にアクセントがあること。有名なギタリストNile Rodgersのカッティングはすべて表拍にある。
また、この特徴は、ファンクとブレイクビートの相性がいい理由でもある。1拍目に必ず音がそろうので、小節単位で切り出しやすいのである。

ベースやギターのリフを編み出したのはLed Zeppelinが最初だという人が言うが、Funkadelicの方が速かった。

Wurlitzerにワウペダルを使えば、ファンクらしいフレーズになる。

彼によると、ファンクが生まれなければ、ヘビーメタルもヒップホップもブレイクビーツも生まれなかったらしい。

この世には、funkまがいの"flunk"がある。その見分け方は、1拍目が強調されているかどうかである。その意味で、Maroon 5のThis Loveはファンクではないし、RihannaのUmbrellaはファンクである。(Umbrellaは一拍目にオープンハイハットが入っている。)

そして、この動画のコメント欄に重要な指摘があった。James Brownの理論にもう一つ大事なことは、すべてのパートが"ドラム"であること。その典型的な例がLarry Grahamのslap bassである。slap bassはファンクの曲に総じて導入されている。

fDELUXE: What is Funk?

fDELUXE?s St. Paul Peterson, Eric Leeds and Jellybean Johnson answer “What is Funk?" Connect with MN Original: Website: http://www.mnoriginal.org Facebook: http://www.facebook.com/mnoriginal Twitter: http://www.twitter.com/mnoriginal Instagram: http://www.instagram.com/mnoriginal Pinterest: http://www.pinterest.com/mnopins #MNOriginal

この動画では、「ファンクとは何か」をセッションしながら語っています。ギターのカッティングから始まりますが、ファンクらしいリズムですね。高い弦しか使っていません。

次にベースが入ってきます。ギターの音符の隙間に入ってきます。スラップ奏法もやってますね。

最後にホーンが入ってきますが、彼曰く、「私の師、Maceo Parkerは”演奏しないということは、演奏するということだ”と言った。音の隙間を利用することが大事だ」。Maceo Parkerはサックス奏者で、James Brownのバンドに参加していました。

そのうち、このホーンの人は「俺にはジャズしか吹けない」とか言ってジャズっぽく吹き始めます(笑)。これはフレーズが長くてあんまりファンクっぽくはないですね。

Mark Ronson – Uptown Funk (Official Video) ft. Bruno Mars

Official Video for Uptown Funk by Mark Ronson ft. Bruno Mars Listen to Mark Ronson: https://MarkRonson.lnk.to/listenYD Subscribe to the official Mark Ronson: https://MarkRonson.lnk.to/subscribeYD Watch more Mark Ronson videos: https://MarkRonson.lnk.to/listenYD/youtube Follow Mark Ronson: Facebook: https://MarkRonson.lnk.to/followFI Instagram: https://MarkRonson.lnk.to/followII Twitter: https://MarkRonson.lnk.to/followTI Website: https://MarkRonson.lnk.to/followWI Spotify: https://MarkRonson.lnk.to/followSI YouTube: https://MarkRonson.lnk.to/subscribeYD #MarkRonson #UptownFunk #BrunoMars #UptownSpecial #NewYearMusic #HappyNewYearMusic #NewYearPlaylist #HappyNewYear Lyrics: Doh Doh doh doh, doh doh doh, doh doh Doh doh doh, doh doh doh, doh doh Doh doh doh, doh doh doh, doh doh Doh doh doh, doh duh (Aaaaaaow!)

近年ではファンクのリバイバルも多い。Mark RonsonのUptown Funkは、1拍目の強調と、slap bassというファンクの特徴をしっかりと抑えている。

おわりに

「ファンクとは何か」について結構具体的な定義ができたと思いますが、まだちょっとしか調べてないですし、そもそも正解があるのかもわかりません。でも、今後の音楽制作には大いに活かせそうです。

ファンクの曲をもっと聴き込んで、耳コピとかもしていきたいですね。