ファンクとはどんな音楽なのか、まとめてみた
ファンク(funk)という音楽ジャンルがありますが、具体的にどういう音楽を指すのでしょうか?
YouTubeで「What is funk」と検索して出てきた動画を参考にして、まとめてみました!
結論
さっそく結論ですが、ファンクの特徴は以下の6つと言えそうです。
すべてのパートが、リズムを刻む
ファンクはJames Brownによって発明されたとされています。
彼が起こした革命は、メロディを捨ててリズムに焦点を当てたこと。ドラム、パーカッションはもちろん、ベース、ギター、Wurlitzer(電子ピアノの一種)、ボーカル、それらすべてがリズムを刻むのです。
ファンクに特徴的なベースのSlap奏法も、リズムを刻むためのものです。
1拍目を強調する
各パートがそれぞれにリズムを刻んでいても、1拍目には必ず集合してアクセントをつけます。
断片的なフレーズで、隙間を作る
他のパートが入り込む余地を与えるために、各パートは断片的で隙間の多いフレーズになります。ボーカルも「歌う」というよりも、短い言葉を「唱える」という感じになります。
メロディやコード進行はいらない
あくまでも主役はリズムであり、長くて叙情的なメロディは不要。1つのコードの上でひたすらリズムに乗り続けます。
テンポは遅め
104bpmくらい。
ギターは上3弦だけ
ファンクにおける典型的なギターは、上3弦だけを弾いて軽やかにリズムを刻みます。
参考動画の和訳
参考にした動画の内容を和訳してみました。もしかしたら誤訳があるかもしれません。
ファンクは『Papa’s Got A Brand New Bag』(1965)から始まったという人が多い。1967年の『Cold Sweat』から始まったという人もいる。しかし、本人の自伝によると、彼の音楽は本当は1964年の『Out Of Sight』から変化したらしい。そのあたりから、彼の音楽において、ホーン、ギター、ボーカルなどすべてのパートが同じリズムを同時に刻み始めたらしい。
James Brownはメロディーを捨ててリズムに焦点を当てた。どんなパートも、彼はパーカッションのように演奏させた。そして、ボーカルも歌うのではなく、唱えた(chanting)。それこそが、ファンクをグルーヴィーにし、ポピュラーにしたのだ。
ファンクはコード進行ではなく、リズムの相互作用により、展開していくのだ。
彼は新しいリズムパターンを生み出した。2拍と4拍を強調するのが一般的だが、1拍目を強調するのだ。これにより、グルーブにスペースが生まれる。それにより、シンコペーション(弱拍の強調)を入れやすくなるのだ。
もう一つ特徴的なのは、歌い方。彼はshoutingとsingingの中間の声で歌っている。そして、フレーズは断片的(stuff)で、叙情的で長いメロディではない。ボーカルの掛け合いも特徴的だ。現在のヒップホップにも影響を与えている。
James Brownらしいフレーズを作ろうと思えば、ブルースケールで、全休符を使って隙間を作ればいい。ホーンによるポップさも欠かせない。
この動画では、ファンクの音楽的な特徴を非常に詳細に解説してくれています。彼によると、ファンクの3大要素は、
①ダウンビート(1拍目)を強調すること
②テンポが104bpmくらいと遅めなこと
③16分音符と"Interlocking Groove"
Interlockingとは、連動しているということ。ドラムやベース、ギターなどあらゆるパートが一貫した16分音符のセットの中で演奏しているということです。
ベースは1拍目から2拍目までずーっと伸ばし切ると、それっぽくなる。もう一つのポイントは、他の楽器が入ってくるための隙間を作ること。
本来ならファンクにはギターが入っていることが多いです。しかし、この人はキーボーディストなので、Wurlitzerの音になってます。でも、ギターのボイシングを取り入れることによって、ファンクっぽくできるとのこと。
ファンクでは、ギターの上の3弦だけをつかうことが多いらしい。そしてその音程は3度と4度になるらしいです。コードがCだったらミソドですね。
参考曲はMaceo Parkerの『Shake Everything You’ve Got』や、Wild Cherryの『Play That Funky Music』。たしかにギターはそうなってますね。
そして彼がもう一度強調するのは、Interlocking Groove。いろんなパートがお互いのために隙間を作って、浮き沈みしていく感じですね。
ファンクの要素はまだまだあって、コードの展開が少ないこともその一つ。ずっと同じコードか、ⅠとⅣを行き来するだけの場合が多いらしい。あとは、大規模な編成。ホーンセクション、clavinet、ギター、ドラム、ベース、さまざまなパーカッション。
この動画では、なかなか面白い分析がなされています。1拍を4分割して、①②③④とすると、③→②や④→③にfunkっぽさを感じるという説。たしかに。表から裏、裏から表という意外性がポイントなんですかね。16ビートは、結局8ビートを2倍速にしただけですから、8ビートでも当てはまりそうですね。
彼曰く、ファンクはフラメンコと同じようなもので、音楽の形式だけを表すものではなく、感性や魂のようなものだ。
James Brownをはじめとするファンクの特徴は、1小節あるいは2小節のはじめ(1拍目)にアクセントがあること。有名なギタリストNile Rodgersのカッティングはすべて表拍にある。
また、この特徴は、ファンクとブレイクビートの相性がいい理由でもある。1拍目に必ず音がそろうので、小節単位で切り出しやすいのである。
ベースやギターのリフを編み出したのはLed Zeppelinが最初だという人が言うが、Funkadelicの方が速かった。
Wurlitzerにワウペダルを使えば、ファンクらしいフレーズになる。
彼によると、ファンクが生まれなければ、ヘビーメタルもヒップホップもブレイクビーツも生まれなかったらしい。
この世には、funkまがいの"flunk"がある。その見分け方は、1拍目が強調されているかどうかである。その意味で、Maroon 5のThis Loveはファンクではないし、RihannaのUmbrellaはファンクである。(Umbrellaは一拍目にオープンハイハットが入っている。)
そして、この動画のコメント欄に重要な指摘があった。James Brownの理論にもう一つ大事なことは、すべてのパートが"ドラム"であること。その典型的な例がLarry Grahamのslap bassである。slap bassはファンクの曲に総じて導入されている。
この動画では、「ファンクとは何か」をセッションしながら語っています。ギターのカッティングから始まりますが、ファンクらしいリズムですね。高い弦しか使っていません。
次にベースが入ってきます。ギターの音符の隙間に入ってきます。スラップ奏法もやってますね。
最後にホーンが入ってきますが、彼曰く、「私の師、Maceo Parkerは”演奏しないということは、演奏するということだ”と言った。音の隙間を利用することが大事だ」。Maceo Parkerはサックス奏者で、James Brownのバンドに参加していました。
そのうち、このホーンの人は「俺にはジャズしか吹けない」とか言ってジャズっぽく吹き始めます(笑)。これはフレーズが長くてあんまりファンクっぽくはないですね。
近年ではファンクのリバイバルも多い。Mark RonsonのUptown Funkは、1拍目の強調と、slap bassというファンクの特徴をしっかりと抑えている。
おわりに
「ファンクとは何か」について結構具体的な定義ができたと思いますが、まだちょっとしか調べてないですし、そもそも正解があるのかもわかりません。でも、今後の音楽制作には大いに活かせそうです。
ファンクの曲をもっと聴き込んで、耳コピとかもしていきたいですね。
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