初期研修マッチングのアルゴリズムの要点
初期研修のマッチングは、「Gale-Shapleyの安定マッチングのアルゴリズム」というものが用いられているようです。数学が苦手だった僕に理解できるのか不安でしたが、意外にも結構シンプルでした。
具体的にどんなアルゴリズムなのかは、JRMP(日本臨床研修マッチング協議会)のページを参照してください。(僕の理解が間違っている可能性もあるので、ぜひご自身で確認してください!)
今回は、このアルゴリズムにおいて、医学生側が留意すべきポイントを書いてみようと思います。
アルゴリズム上、「その病院を学生が何番目に志望したか」と「その病院へのマッチしやすさ」は関係ない
これは重要なポイントだと思います。具体例を示しましょう。
例えば、学生A君と学生B君が以下のように登録したとします。
そして、A君は第1~7志望の病院にマッチできなかったとします。すると、××病院の枠をA君とB君が争う形になりますよね。
このとき、××病院がB君よりもA君を上の順位で指名していると…
A君が優先的にマッチするのです!場合によっては、A君は定員枠に入れたけどB君は入れずにアンマッチということにもなります。
これ、なんか不公平な感じがしますよね。一途に第1志望にしていたB君の気持ちはどうなるんだよ…。でも、こういう仕組みになってるんですね。
さらに言うと、病院側は「その学生が自病院を何番目に志望しているか」を知ることができません。だから、「B君はウチを第1志望にしてくれてるから、高い順位で指名してあげよう」という行動もとれないんですよね。
よって、もし見学に行ったときなどに「ウチを第1志望にしてくれたら内定あげるよ(第1志望にしないなら内定あげないよ)」などと言われても、そんなことは不可能なんですよね。学生が「御院が第1志望です!」と言っても、それは口約束でしかないんです。
というわけで、このアルゴリズムのもとで学生が最適な行動をとるとしたら、とりあえず全ての病院に「御院が第1志望です!」と言っておいて、マッチング登録では素直に自分が行きたい順番で登録することになるでしょう。倫理的にはよくないですが(笑)。
「本当は〇〇病院に行きたいけど倍率高い…。□□病院は少し魅力は劣るけどマッチできる確率は高そうだ。〇〇病院はあきらめて□□病院を第1志望にしよう」という戦略も意味がありません。□□病院を何番目に登録しても、□□病院にマッチできる確率は変わりませんからね。遠慮なく、自分が行きたい順に登録すればいいのです。
マッチしてしまうと、もう断れない
もう一つのポイントは、「一度ある病院とマッチしてしまうと、その病院で初期研修を開始することは避けられない」ということです。A君が「どうせ第1~7志望のどれかにはマッチするだろ…」と思って第8志望に行きたくもない××病院を登録してしまい、まさかの××病院にマッチしてしまったとなると、もう××病院で初期研修を開始することは免れません。
なので、行きたいと思う病院だけを登録するようにしましょう。
まとめ
結論としては、「自分が行きたい病院を、行きたい順に登録しましょう」という当たり前のことになります(笑)。
それではまた!
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